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2015年 01月 04日
1983年に日本建築学会が、全国に存在する明治以降に建てられた建物をリスト化した「日本近代建築総覧」という書物に記載されている横浜関内地区(港町~北仲通まで)の戦前建築は46軒。 そのうち2014年現在、現存しているもの10軒。 さらにこの10軒中、なんらかの形で積極的な保存措置が講じられていると言える建物は国の重要文化財に指定された県立歴史博物館と開港記念館の2軒のみ……と言うと「えっ?」と思われる方が多いと思います。 確かに保存を目的にして横浜市が購入し、市の有形文化財とか認定歴史的建造物などに指定された建物も存在しますが、残念ながらそれによって「建物が将来にわたって保存されることが担保されている」とは言い切れないのが現実です。 なにせこれらの物件がなんらかの事情で手に余るようになったら、「た・い・し・ん・せ・い・に・も・ん・だ・い・が」と魔法の呪文を唱えればたちどころに歴史の呪縛から解き放たれるという仕組み。 と言うのも、もともと文化財には国指定、都道府県指定、市町村指定の三段階が存在し、一番指定のハードルが低いのが市町村指定の文化財であり、市町村指定の文化財が所有者の都合により指定が解除された例は枚挙に暇がないというのもこれもまた事実(←横浜に限った話ではありません)。 とまあ、「歴史を生かしたまちづくりを推進しています」と大見得を切っておきながら横浜市の態勢および対応に問題があるのも確かなのですが、日本大通の旧三井物産生糸倉庫取り壊し反対の電子署名の募集開始から四ヶ月余りが経過した現在の署名数を見ると、横浜市で歴史的建造物の保存がいまひとつ捗らない最大の原因は370万横浜市民にあると見るべきなのかもしれません。 なにせ単純計算すると、旧三井物産生糸倉庫の取り壊しに反対する横浜市民は1850人に1人、実際には横浜市民以外で署名に参加した人もいるでしょうからそうなると……という現実には、ただうなだれてため息をつく他ありません。 ということで、とにもかくにも今週と来週はストック写真の中から関内地区の戦前建築物を選んで二週に分けてド~ンと。 で今日は"その1"として関内駅の海側、港町から南仲通までの写真を↓ と、その前にちょっと説明を……。 写真の下のキャプションは所在地、撮影時の名称、建設当時の名称、その隣の括弧内が竣工年でSが昭和、Tが大正、Mが明治で、そのとなりの◯印が現存、☓が一部保存、ハリボテ、レプリカ復元を問わずオリジナルの建物が2014年現在解体されていることを表し、建物の名称のリンクはその建物を取り上げた当ブログの過去記事にジャンプします。 また建設当時の建物の名称のあとに「?」マークがある物は、昭和10年前後の商工録に該当住所を所在地としていた商店(企業)名を書き出した物なので、その信憑性については責任を持ちかねますのでその点をご了承ください^^。 ということで、まずは港町から↓ ![]() ![]() ![]() ![]() 昭和63年に横浜市認定歴史的建造物に指定される。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 神奈川新聞さんもスネに傷を持つ身なのだからあんまり他人のことをとやかく言える立場じゃないんですよね(笑) ![]() ![]() ちなみに「日本近代建築総覧」には弁天通4-52千代田火災倉庫(上の写真の通りの左に写っている黒っぽい3階建ての建物)という記載がありますが、1946年、47年撮影の航空写真(この頃に撮影された航空写真は戦時中、航空機からの目標確認を困難にする目的から建物の屋根や屋上は黒く塗られていたので建物は黒く写り、空き地は白く写っているので建物の確認が容易に行えるうえ、戦時中に比べて解像度が格段にアップしたことにより影の出方で建物の高低の判断も出来ます)では52番地が更地になっている代わりに62番地に三角屋根の建物が写っていて、同じ建物を1977年の航空写真まで確認出来ます。 ![]() 馬車道側と弁天通側の壁面の一部を新築したビルの低層階壁面としてに使用することで昭和63年に認定歴史的建造物に指定される。 ![]() 昭和44年に国の重要文化財に指定される。 そして県立博物館の斜め向かいには↓ ![]() H12年に認定歴史的建造物に指定される。 がありました……と言っても上の写真ではよく分からないので付け加えると、上の写真の左側奥にチラッと見えるのが大津ビルです(無理矢理感満点ですが……^^)。 ということで、本町~北仲通編は来週のお楽しみってことで。 最後に蛇足ではありますが、当サイトの元浜町~海岸通の写真はこちらを、山下町はこちらを、また認定歴史的建造物については横浜市認定歴史的建造物一覧を、横浜市内の重要文化財、有形文化財については市域文化財一覧【PDF形式、450KB】、横浜市特定景観形成歴史的建造物制度を、戦前の店舗や商店の所在地をお知りになりたい方は、昭和5年度版「大横浜商工録」を店舗の写真入りが御所望の場合は昭和10年度版「著名商店工場要覧」をご参照下さい。
by yokohama80s
| 2015-01-04 00:04
| 関内地区
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