2012年 05月 13日
横浜港で客船と言えば、大部分の方が大桟橋の方をイメージされると思いますが、大桟橋よりも設備が充実していて規模も大きな旅客ターミナルが新港埠頭四号岸壁にあり、1960年(昭和35年)に氷川丸が引退してシアトルまでのアメリカ航路が廃止されるまでは、国内船会社用の旅客ターミナルとして使用されていました。 ということでちょっと新港埠頭についてググってみると、どのサイトを見ても判で押したように「北米航路が四号岸壁を使用し、欧州航路は九号岸壁を使用していた」とありますが、上の写真はそのどちらでもなく八号岸壁の八号上屋の山側(万国橋側)に併設されていた公衆トイレ。 今も昔も元来、埠頭と言うところは、一般の人が立ち入らない場所であって、そこにあるトイレも当然、「用が足せればいい」的な素っ気ない造りなのに対して、このトイレはまるで公園にあるトイレのような立派なモノで、入り口には正円アーチがあしらわれ、入り口を入った所にはローマチック(?)な手洗い場があり(ロマネスク様式のトイレ???)、埠頭内の他のトイレは男女兼用なのに対して、こちらは男女用が左右にキチンと分けられていて、まるで不特定多数の人が利用することを前提にしているような造りでした。 中に入ってみると...... 埠頭内の他のトイレは、小便器が無く打ちっぱなしのコンクリートに向かって用を足す方式なのに、こちらはキチンと朝顔がならんでいます。 一方、個室(もちろん男子用の方です)のほうは...... 普通のくみ取り式のトイレでした(笑 で、ご多分に漏れず1923年(大正12年)の関東大震災により新港埠頭も壊滅的な被害を受けたワケですが、 1925年(大正14年)大蔵省営繕管財局が発行した営繕事業年報によると、「歩道には上屋前及び荷役に支障のある場所を除きなるべく街路樹を植えて公衆便所その他の空き地にして、公衆の休憩に便利な場所には植樹をする」ということで、税関埠頭港内に合計6棟、うち新港埠頭構内に4棟の公衆便所が建てられそうで、この文面を見ると、新港埠頭は埠頭が臨海公園の役割も担っていたようです。 *2016/01/27 記事を整理するために、九号岸壁の件を削除し当ブログの「新港埠頭 九号岸壁」に統一しました。
by yokohama80s
| 2012-05-13 18:26
| 新港埠頭
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