週刊 横濱80’s

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2014年 10月 12日

旧自動車クレーン格納庫

その昔、新港埠頭の赤レンガ一号倉庫の裏手の三菱倉庫との間に、扇形の鉄道の機関庫のような建物がありました。

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昭和39年の横浜市三千分一地形図をグーグルアースに重ねてみました(赤く囲ってあるのが↑の写真の建物)


撮影当時、この扇形の建物に併設されていた事務所というか、休憩所のような建物↓の脇に水上消防署新港出張所と書かれた(だったと思いますが、とにかく"消防署"と書かれていた)木製の看板が転がっていたので、今までず~っとかつての消防署の跡だとばかり思っていました。

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ところがこの記事を書くにあたって、中区史にある1980年当時の新港埠頭の地図を見ると、該当の場所には「起重機格納庫」の文字が・・・・・・

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赤い部分が自動車クレーン格納庫(起重機格納庫)


昭和9年版の横浜税関設備図にも、該当の場所にある同じ形の建物に「自動車クレン格納庫」と記載されています。

ということで、あれやこれやの昔の書物を漁ってみると、震災前には岸壁に敷設されたレール上を走行する門型クレーン(↓こんなヤツ)

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1917年(大正6年)横浜税関新設備写真帖より


が岸壁毎に設置されていたものの、震災によりすべて全壊したのを機にそれを全廃し、代わりに何かと利便性が高い自動車クレーンに転換しこれを格納するために建てられた施設だと判明。

それにしてもクレーン車を仕舞うには、ちょっと建物が小さいような気も・・・・・・と思って、あれやこれやさらに調べてみると、1930年(昭和5年)に港湾協会が発行した「港湾調査資料・横浜港荷役調査」に税関埠頭こと新港埠頭に「1.5トン自動車型クレーン2台配備」という記載が。

でも工事現場でよく見かける4トントラックの運転台後ろにあるユニックと呼ばれるクレーンでも2~3tくらい吊ることが出来たと思うので、戦前のクレーン車(自動車クレーン)とはどのような代物なのかをデジタルライブラリーで漁ってみると当時、新港埠頭内の横浜港駅に配備されていた、当時は国内に一台しか無かったという3トン自動車クレーンの写真(背景の建物は三井生糸倉庫でしょうか?)が↓

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1930年(昭和5年)発行「貨物積卸機械利用の栞」より


↑これで3トンということは、1.5トンクレーン車はこれの半分のサイズということに・・・・・・

「それだったら充分入るな」ということで、ちなみにこの起重機格納庫こと自動車クレーン格納庫は、1988年撮影の航空写真ではその姿を確認できないことから、1984~5年くらいには取り壊されていたようです。

それから撮影当時、水上消防署の消防車の車庫は赤レンガ二号倉庫向かいの変電所の隣りあたりにあったかと記憶しています。

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*写真はすべて1983年撮影。



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by yokohama80s | 2014-10-12 00:03 | 新港埠頭 | Comments(0)


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