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週刊 横濱80’s

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2013年 09月 01日

海岸通3丁目 エヴェレットスチームシップ横浜支店

81年頃に海岸通を万国橋方向から大桟橋方向にブラブラと歩いて行くと、海岸通3丁目交差点の海岸通と関内大通りの丁字路の角地にウナギの寝床状に横たわるちょっとモダンで小洒落たビルがありました。

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赤矢印(1960年に撮影された航空写真より)


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海岸通側の入り口ドアには、英語で数社の商船会社名が記されていて↓、

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元浜町へ向かう道路側のウインドーには、自社船の模型と↓

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某有名洋酒会社のイメージキャラクターや、船好きで知られる横浜在住の某有名イラストレーターのイラストが飾られていて↓

海岸通3丁目 エヴェレットスチームシップ横浜支店_c0247059_2249102.jpg


「いかにも」感満点でした。

なにせこの頃は、外国の船会社の支社や代理店の大部分は、シルクセンターに事務所を構えているのが相場であって小さいながらも自社ビルということは、それなりに由緒正しい歴史ある会社とお見受けいたしました。

ということで、今頃になってググッたことをざっくりまとめてみますと、

EVERETT STEAMSHIP Co Ltd(エヴェレット汽船株式会社)

1917年アメリカで設立され社名の「エヴェレット」は会社設立時の投資家の名前から取ったもので、戦前から日本の主要港の横浜、清水、神戸、下関にも支店があったそうな。

そして戦後いち早く横浜に戻り、日本からアジア、ペルシャ湾に至る航路に定期貨物船を運行すると同時に、いくつかの海外商船会社の代理店業務も行ない、同時に自社船のアジア寄港地にも代理店を設け、これらの港における輸出入貨物の取り扱い及び船に必要な水、食料、燃料、その他の物資の供給を代行した。

とのこと。

しかし戦前、戦後と七つの海の荒波を乗り越えてきた歴史ある老舗外国商船会社も栄華盛衰、商船不況の荒波には抗し難く1984年頃にエヴェレットスチームシップ社は日本での業務を国内企業に売却し日本から撤退。

ちなみにこのビルは、航空写真などから推測すると、このあたりが接収解除になった1952年(昭和27年)から1955年(昭和30年)の間に建てられ、その後、この会社が山下町のビルに移転したのを機に1982年(昭和57年)に取り壊され、のちにマンションが建てられるまで駐車場となっていました。

*写真はすべて1981年撮影



by yokohama80s | 2013-09-01 00:08 | 大桟橋・海岸通


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